2015年6月28日日曜日

ニセコイ2期はなぜ失敗したのか

ニセコイ2期終了。作画良し、声優良し、音楽良しの良作であったが、脚本についてはどうしてこうなったと言いたい出来である。原作の問題でもあるのだが、ストーリー性の無さは何とかならなかったのだろうか。1期はストーリー性があったが、2期はお話のパッチワークになっていたように思える。一つ一つの話は良い。ただし、全体として見るとまとまりがない印象である。文化祭で千棘が楽への恋心を認めてから、原作でほとんど進展が見られないことが一番の原因ではあるのだが、せっかく主役級として登場させた新キャラの小野寺春を優遇しきれなかったことが最大の失策であると思う。OPでメインヒロインとして登場しているのに、なんと最終話には春が登場せず。メインで登場したのは7話「イモウト」、8話「ハタラケ」、9話「オソウジ/オミマウ」のたった3話だけで、あまり目立たずに終わってしまった。

原作は千棘が楽への恋心を自覚したところで、いったん千棘のターンは終了。75話「カミカゼ」での初登場から春の出番が急増。千棘、小咲、鶫、万里花がニセコイ4大ヒロインであったが、春の登場以降は鶫と万里花のメイン回が減少し、姉の小咲より春の方が目立っている状況が続いていた。10年前の記憶を持つ羽の登場、鍵の秘密に関わる絵本の出現、万里花の病状悪化など、最近では物語が佳境に向かって進み始めているが、75話以降しばらくは春の恋がニセコイのメインストーリーと化していた。実際に春回の多さには目を見張るものがある。

75話「カミカゼ」
76話「イモウト」
77話「ハタラケ」
78話「カエシテ」
86話「オミマウ」
94話「キグルミ」
107話「オマツリ」
108話「シツモン」
109話「ブキヨウ」
110話「オデカケ」
131話「サクセン」
132話「ミスコン」
133話「タイマン」
134話「ゴシメイ」

登場編、お祭り編、ミスコン編と短期間に3回も長編の主役となっており、千棘や小咲に進展が見られない一方で、春だけが唯一ラブコメを展開していた。彼女のいる身で姉を狙う楽を最初こそ敵視していたものの、接していく内に徐々に惹かれるようになっていき、自分を助けた王子様が本当は楽なのではないかと気付き始める。そして千棘と楽のニセコイ関係を知ったことで楽への誤解が解け、楽を好きになっていることを自覚する。楽のことが好きな姉を応援するため自分は身を引くことを決めるが、それでも楽への想いを断ち切れずにいる。せっかく春を登場させるのであれば、2期は思い切って春の恋を描くべきであった。ニセコイ初期の面白さは千棘が楽を好きになっていく過程で生まれており、ニセコイ中盤の面白さも春が楽を好きになっていく過程で生まれていた。アニメ2期は原作の良い部分を活かせていなかったと思う。

ニセコイ2期は4大ヒロインそれぞれにメイン回を割り振っており、1話「コレカラ/キヅイテ」が千棘回、2話「インネン/ショウブ」が鶫回、5話「オシエテ/ラクサマ」が万里花回、11話「ヤセタイ/オハヨウ」が小咲回であった。この4話と千棘と母親の関係を描いたクリスマス長編を除いて、残りの話数を春に回すべきであった。78話「カエシテ」と94話「キグルミ」で春メインの日常回を1話つくり、マジカルパティシエをカットして110話「オデカケ」を追加、最後はお祭り編で春が楽への恋心を自覚するところまで描いて欲しかった。ストーリー性のない日常回はOVAに回して、2期は春にもっとフォーカスして良かったのではないかと思う。2期で春編を描き切り、3期ではいよいよ物語の根幹に関わる鍵の話を描けば良かったのではないだろうか。ニセコイ2期が何となくだらだらした感じで終わってしまったのは脚本のミスだと思う。

2015年6月21日日曜日

冴えない彼女の育てかた8巻 感想

冴えない彼女の育てかた (8) (富士見ファンタジア文庫)
丸戸 史明
KADOKAWA/富士見書房 (2015-06-20)
売り上げランキング: 23,359

7巻ラストで英梨々と詩羽先輩のサークル脱退という衝撃的な展開となった冴えない彼女の育てかた。アニメも続編制作が決まり、勢いのある本作。表紙は7巻に続いて、またしてもメインヒロイン加藤恵。表紙の通り、章タイトルの通り、加藤ルート一直線の展開で、加藤のメインヒロインぶりが目立っていた本巻。ただし、個人的には英梨々の存在感が大きくなったようにも思える。

冴えない彼女の育てかた考察 タイトルのダブルミーニングと英梨々エンドの可能性で予想したように、8巻からは出海がイラストレーターとしてサークルに加入し、倫也がシナリオライターとして活動することに。学年も3年に上がって、本格的に第二部開始といったところ。伊織もサークルに何らかの形で関わるのではないかと思っていたが、倫也からサークルのプロデューサーを任されるという想定以上の展開。倫也が書いたストーリープロットを伊織に認めさせて、プロデューサーになってもらうのが8巻の大筋だった。これでblessing softwareは倫也、加藤、美智留、波島兄妹の五名体制に。出海が倫也のクラスに押しかけてきたり、倫也が波島家にお呼ばれされたり、倫也が喫茶店で伊織にサークル加入をお願いしたりと、新メンバーである波島兄妹の出番が流石に多かった。

ただし、そんな8巻でも加藤の正妻力が圧倒的だった。ゲーム制作会議と称して相変わらず倫也の部屋にお泊りしたり、倫也の企画を否定する伊織に対して倫也以上に怒ってみせたり、伊織に認めてもらうため今年のGWも倫也の部屋で泊りがけでストーリーのプロットを練ったり、恋人以上の関係にさえ見える。英梨々と詩羽先輩がいなくなったことで、サークル内での加藤の存在感がものすごいことになっている。後半は加藤無双で、最後の7.5章では倫也と加藤が再び思い出の地にデートをしに行く。1年前と同じくショッピングをして、手をつないで、ケーキバイキングに行く二人。帰りの坂道では加藤が倫也を名前で呼び、1年前を彷彿とさせる展開に。ただ、前回と違うのは倫也も加藤を名前で呼ぶようになったこと。倫也がついに加藤のことを恵と呼ぶようになり、二人の関係は仲直りを経て一層強固なものとなったようである。

そんな加藤無双の8巻であったが、ストーリーにおける英梨々の存在感が大きくなっているように思われた。加藤と英梨々は未だに仲直りすることができておらず、二人がそのことを気にしている場面が多かった。最後に倫也が仲直りの場をセッティングするところまで漕ぎ着けたが、フィールズ・クロニクルのPV配信を見て、更なる高みへと足を踏み入れた英梨々の才能に衝撃を受けた加藤の気持ちは再び…。次巻から再びシリアス展開が始まりそうな予感。やはり倫也、加藤、英梨々の三角関係が第二部のストーリーの大きな軸となりそう。詩羽先輩はクリエイターとして完全に英梨々の後塵を拝するようになっているし、というか最早ただのOGみたいになってる。まぁ、詩羽先輩は新幹線のホームでのキスによって、正妻戦争からは身を引いてしまった感がある。美智留は現役なのに、詩羽先輩以上に相変わらず出番少ない。美智留が今後活躍する日は来るのだろうか。詩羽先輩と美智留がこんな感じなので、加藤の対抗馬として英梨々の存在感が際立ってきているのかもしれない。WHITE ALBUM2の丸戸史明なので、やはり今後は友情と恋愛が縺れ合う展開になるのではないかと予想する。

相変わらずメタ発言の多い冴えカノであるが、8巻はアニメのメタ発言が多かった。
倫也「それともお台場で某テレビ局に忠誠を誓いに…」
加藤「そんなに混んでないし、ジェットコースターもあるし、メリーゴーランドが止まらないし、デートイベントのネタ集めにはこれ以上はない場所だよね」

「メリーゴーランドが止まらないし」は不自然すぎるだろ。加藤がメタ発言をするとは思わなかった。…いや、偶然だよな?わざとじゃないからね~だよな?

2015年6月16日火曜日

今後値上がりしそうな電力株

◆電力各社の株価(6/16現在)
北海道電力1281円
東北電力1730円
東京電力688円
中部電力1855円
関西電力1332.5円
北陸電力1885円
四国電力1832円
中国電力1829円
九州電力1432円
沖縄電力3170円
J-POWER4485円

ここ数か月で東京電力の株価が急騰している。ソフトバンク、リクルートなど他業種との相次ぐ提携がマスコミで報じられていることが要因と思われる。ただし、関西電力とKDDIの提携が報じられたように、今後は他電力が他業種との連携を打ち出していくターンである。東京電力の急騰は1000円の壁を超えるまでには至らないと思われる。ただし、福島第一原子力発電所事故の責任をきっちり取るまで、国も東京電力には潰れて欲しくないと考えているはずであり、それほど保有に慎重になる必要はないと考える。経済産業省と手を組んだ東京電力は他電力とは異なる大胆な動きをする可能性があり、10年後の電力業界・ガス業界で予想したように燃料・火力発電部門における中部電力との提携など、電力業界・ガス業界の大再編を今後リードしていくと思われる。まだまだ他電力と比較して割安であり、今後の報道による高騰を期待して、今の内から保有するのも悪くない。

東京電力に次いで株価が低いのは、原子力発電への依存度が高い北海道電力、関西電力、九州電力である。原子力発電所の再稼働まで赤字は避けられないが、九州電力の川内原発はようやく再稼働へと漕ぎ着けそうであり、下位3社グループから真っ先に脱すると思われる。もう一つの玄海原発も比較的早い再稼働が見込まれている。活断層問題によって早期再稼働が難しい東北電力と北陸電力を九州電力がいずれ追い抜くことも考えられる。九州電力は川内原発の再稼働後に株価が上昇していくと思われるため、今の内に安いタイミングを見計らって買っておきたいところである。

また、原子力発電への依存度が低い中国電力と中部電力は既に上位グループに属しているが、北陸電力と四国電力を突き放して、今後さらに株価が上昇していくと思われる。中国電力は島根原発、中部電力は浜岡原発を抱えているが、両社は安価な石炭火力が中心で各社の原発が再稼働するまでは高い競争力を発揮するだろう。また、投資余力のある両社は積極的な電源開発と他電力管内への進出が可能であり、自由化においてスタートダッシュをかけることができる。しばらくは安泰な電力株であると言える。

2015年6月12日金曜日

京アニの集大成 中二病でも恋がしたい!

6月12日は小鳥遊六花の誕生日。ということで「中二病でも恋がしたい!」という作品について考察してみる。涼宮ハルヒの憂鬱に始まり、CLANNAD、けいおん!、氷菓など、京都アニメーションの作品は好きな作品が多いが、中二病は京アニの中でもハルヒと並んでずば抜けて好きな作品である。それは中二病が京アニ作品の集大成と言えるような特徴を持った完璧な作品だからである。
ヒロインの小鳥遊六花は幼い顔立ちで可愛らしい。そして知的障害の一種なのでは?と思わせるくらいに頭が弱く、シリアスな問題を抱えている。これは京アニが手掛けてきたKey作品に共通するヒロイン像である。AIRの観鈴、Kanonのあゆ、CLANNADの渚、六花にはKey作品のヒロインを彷彿とさせる特徴がある。前半はコメディ要素が強い一方、後半は病気や家族の死などシリアス展開に突入していくのはKey作品の特徴であるが、中二病もそんなKey作品の特徴を踏襲している。家族をテーマにしている点は京アニの代表作CLANNADと同様である。

六花は非日常的な世界に没頭し、周囲から浮いた存在となっている。そんな六花は自分の唯一の理解者である富樫勇太と出会い、クラスの誰とも会話をしないのに唯一勇太とだけは親交を深めていくようになる。勇太を当てにして謎のサークルを立ち上げ、ますます彼に依存していくようになる。これは涼宮ハルヒの憂鬱におけるハルヒとキョンの関係と全く同じである。そして非日常の世界の住人であった六花は勇太との出会いによって、次第に日常の世界の住人へと変わっていく。一方、日常の世界の住人であった勇太は六花との出会いによって、次第に非日常の世界の住人へと変わっていく。勇太は非日常の世界を諦めてしまった六花をラストで再び非日常の世界に連れ戻す。これも涼宮ハルヒの憂鬱と全く同じ構造をしている。そもそも中二病は涼宮ハルヒの憂鬱に大きく影響を受けている作品であり、六花のモデルが長門有希であることも著者によって明らかにされている。原作2巻、アニメ2期で登場する七宮智音は勇太が過去を一緒に過ごした女の子であり、六花のライバルとなる。これも涼宮ハルヒの分裂に登場する佐々木のカウンターパートとなっているように思われる。さらに原作3巻では個性派演劇部を主宰する天虹旱が登場するが、普通を嫌って特別を追い求める彼女もまたハルヒがモデルとなっているように思われる。

また、六花の立ち上げた極東魔術昼寝結社の夏は勇太を除くと女子4人でけいおん!と似たような雰囲気を醸し出している。個性的な六花は唯、真面目な丹生谷は澪、お調子者の凸守は律、ゆるふわな雰囲気のくみん先輩は紬である。特にやることもないのに放課後に集まって仲良くしている4人は軽音部の4人と重なる。EDの雰囲気も4人が出演するPVみたいな出来に仕上がっており、けいおん!とよく似ている。

中二病でも恋がしたい!は京アニの集大成といえる作品であると思う。だからこそ中二病で京アニは終わってしまった。たまこまーけっと、Free!、境界の彼方、甘城ブリリアントパークなど近年の京アニ作品はことごとく覇権を逃し、迷走を続けている(売上的にはFree!は大成功の部類に入るが)。そして中二病も涼宮ハルヒの憂鬱と同じく、2期で爆死してしまった。京アニが次の常勝スタイルを確立するには、まだ少し時間がかかりそうである。

2015年6月10日水曜日

富谷町の無謀なLRT計画

サイクルシェアリングで公共交通に触れたので、サイクルシェアリングと並んで注目されるLRTについても語ってみる。サイクルシェアリング導入に積極的な書き方をしたが、必ずしも公共交通を充実、拡大させれば良いと考えているわけではない。地域によって向き、不向きというものがある。隣町の富谷町でLRT導入の計画があるようだが、これには反対である。

富谷町は仙台市の北に位置する人口5万人程度の町である。この小さな町が市長選の公約を契機としてLRTの導入に躍起になっている。LRTはLight Rail Transitの略称で、鉄道とバスの中間、低床の路面電車として知られる。都市の大きな通りに専用の軌道を敷いて、その上を1両か2両程の低床車両が進む。鉄道と比べると輸送力と速達性に劣るが、建設と運営にかかるコストは少なくて済む。また、駅の間隔は鉄道より短く、どちらかというとバスに近い動きをするため、中心市街地の活性化に効果があるとされる。また、低床車両で高齢者が利用しやすい。専用軌道を持つため、バスと違って運行時間も守られる。日本ではコンパクトシティで有名な富山市のポートラムが有名である。

富谷町がLRTの導入を望むのは、仙台市に隣接するこの町には鉄道が通っておらず、交通の便が悪いためである。かつて仙台の近郊で最も栄えた都市は港町塩釜であり、仙台都市圏は仙台と塩釜を合わせて仙塩地域と呼ばれていた。仙石線が通過する岩切、多賀城、塩釜が人口密集地域であり、仙台都市圏は仙台の城下町から北東に延びる形をしていた。しかし、仙台新港の開港によって塩釜の地位は低下し、代わりに仙台のベッドタウンとして成長したのが泉市(現在の仙台市泉区)と富谷町であった。三菱地所の泉パークタウンなど、大規模な新興住宅地が次々と開発されたことで人口は千人単位で増加していった。富谷町はこの40年間で人口が10倍に膨らんでいる。しかし、泉市が仙台市への吸収合併と引き換えに南北線の泉中央駅までの延伸を勝ち取った一方で、遅れて発展した富谷町には未だに鉄道が通っていない。これだけの人口密集地であれば、鉄道が通っていてもおかしくない。そこで富谷町長選挙を契機に富谷町が泉中央から富谷町までのLRT導入による南北線延伸を訴え始めた。

しかし、富谷町のLRT計画は無謀であると言わざるを得ない。泉中央と富谷町の間にはそれなりの距離があり、富谷町の前に泉区内の路線を整備することが欠かせないためである。しかし、仙台市は富谷町の提案には消極的だと思う。南北線でさえ黒字化に時間を要し、今年12月の東西線開通を控える今、仙台市に南北線延伸の余裕はない。さらに仙台市としては北の富谷町方面ではなく、西の泉パークタウン方面に南北線を延伸させたいと考えているはずである。泉パークタウンは泉区有数の人口密集地であり、仙台泉プレミアムアウトレット、宮城県立図書館、仙台白百合学園、宮城大学などが存在するため、仙台市民の利便性向上と鉄道需要を考えれば西に延伸する方が自然である。

また、富谷町民にとってLRT導入は実はそれほどメリットがないようにも思われる。LRTと地下鉄は車両、軌道が全く別物であるため、南北線延伸と謳ってはいるものの、実際に富谷町から仙台に向かう際にはLRTから地下鉄への乗り換えが必要となる。地上から地下のホームまで5分、待ち時間で5分と考えても10分のロスが生じる。予算の面からLRTが選ばれたのだと思うが、純粋な地下鉄延伸と比べて利便性は大いに損なわれる。LRTでカバーできる範囲も限られており、乗り換えを考えるとLRTを使わずに従来通りバスを使った方が便利な地域も多く残ると思われる。

一方で富谷町はロードサイドにイオンモールなどの商業施設が立地し、町民は既に自動車での移動を基本としている。LRTを走らせるためには専用軌道を整備する必要があるが、整備工事は自動車を利用する多くの町民にとって迷惑な話である。実際にLRTが走り出した後も、LRTが自動車よりも優先される場面が多々出てくると思われ、自動車はLRTに気を使って走らなければならない。LRTの駅から商業施設や公共施設への導線も自動車交通の邪魔になる。このようにLRTの導入によって自動車の利便性が落ちてしまい、却って交通の便が悪化する可能性さえある。自動車から公共交通への完全な切り替えが難しい以上、既存の交通を破壊するようなLRTでは意味がない。小さな町で予算も限られているのだから、車社会を前提とした街づくりに投資をする方が賢明だろう。郊外の富谷町は仙台市と異なり、いずれは人口減少に向かう運命にある。無理にLRTを導入する必要はないように思う。

2015年6月6日土曜日

鉄道会社によるサイクルシェアリング事業の可能性

サイクルシェアリング、バイクシェアリング、シティサイクル、コミュニティサイクルなどと称される自転車利用の新しい形態について注目している。レンタサイクルが観光目的で使用されるのに対して、サイクルシェアリングは日常生活での使用が想定されている。サイクルシェアリングは街中にサイクルポートを多数設置し、利用者は借りた自転車をどこのサイクルポートでも返却することができる。例えば、駅前のサイクルポートで自転車を借りて、会社近くのコンビニまで自転車に乗って通勤し、コンビニに設置されたサイクルポートで返却をするといった使用ができる。数十分単位での使用が可能で、都市内でのちょっとした移動をバスや徒歩から自転車に切り替えることができる。サイクルシェアリングの先進地パリではヴェリブという名称のサイクルシェアリングが普及している。およそ300m毎にポートが設置されており、パリ市民で知らない者はいない。

地方に比べて都市の生活は体力を必要とする。地方ではどこに行くにも自動車での移動が基本であり、日常的に徒歩で移動する距離は短い。しかし、都市では自宅から駅まで、駅から目的地まで徒歩での移動が基本である。この徒歩移動は都市住民にとって地味に辛いポイントである。サイクルシェアリングの導入は都市生活の利便性を向上させる。日本でも横浜市のbaybike、仙台市のDATE BIKE、札幌市のポロクルなど、近年は導入事例が増えており、中心市街地を活性化させる効果が期待されている。ただし、サイクルシェアリングは公益事業に共通する課題として、採算を取ることが難しい。自治体が税金を使ってサイクルシェアリングを行う場合が多いが、基本的に赤字となっている。海外では自転車に広告を載せて、広告費によって事業を運営している事例もあるが、民間企業がサイクルシェアリング事業に乗り出すことは一般的に難しいようである。
 
しかし、サイクルシェアリング事業に進出する可能性のある民間会社がある。それは鉄道会社である。鉄道会社に入社した暁には鉄道駅を拠点としたサイクルシェアリングの企画をしたいと考えていた。鉄道は長距離輸送では航空機、短距離輸送では自動車と競合する関係にある。鉄道の自動車に対する弱みはdoor to doorではないこと、つまり鉄道駅から目的地まで徒歩移動を強いられることであるが、自転車と組み合わせることで鉄道の利便性は格段に増す。サイクルシェアリングが普及すれば、通勤通学をマイカーやバスから鉄道に切り替える人がそれなりに出るだろう。また、休日の人の移動も郊外から中心市街地に移行する。サイクルシェアリングの普及は鉄道利用者を増加させるため、サイクルシェアリング単体で採算を取ることは難しくても、本業の収益が向上する鉄道会社であれば事業として実行できる可能性がある。人口減少によって利用客の減少が見込まれる鉄道会社がサイクルシェアリング事業に挑戦する価値は大いにあると思う。また、鉄道会社にとって悩みの種である駅前の放置自転車問題が解決される可能性もある。
 
鉄道会社はサイクルポート網の核となる鉄道駅を所有しており、沿線地域の自治体や施設とも深い繋がりを有しているため、サイクルシェアリングの旗振り役として申し分ない。地域の交通利便性が向上するため、相当な問題がなければ自治体の協力は得られるだろう。役所、学校、図書館、病院、公園といった公共施設にサイクルポートを設置することは難しくない。また、スーパーやコンビニなどの商業施設もサイクルポート設置に協力するだろう。サイクルポートの利用者を客として店に呼び込むことができる。中心市街地が空洞化した沿線地域を持つ鉄道会社はぜひサイクルシェアリング事業に取り組んでみてはいかがだろうか。人口減少社会に突入し、鉄道各社は他社の沿線地域にはない魅力をアピールすることで、いかに人を呼び込むかが課題となっている。サイクルシェアリングは他社と差別化を図る上でも良い武器となるだろう。

2015年6月1日月曜日

七ヶ浜・仙台港サイクリング記録

去年に引き続き、再び自転車で七ヶ浜へ。かんなぎの聖地である鼻節神社と三井アウトレットパーク仙台港にも行ってみた。

泉中央を11時に出発。まずは駅前のアリオでアイスを購入。サイクリングのときにアイスを買うのが恒例となっている。泉区と塩釜を結ぶ県道35号線をひたすら東に進む。市名坂を過ぎるとロードサイドの商業施設が消えて、田園地帯が広がる。田園地帯を抜けると東北本線沿いに住宅街が広がっている。岩切、多賀城、塩釜の住宅街を抜けると、七ヶ浜の入口となる貞山運河に辿り着く。貞山運河に沿って南下すると、新仙台火力発電所とJXの製油所が見えてくる。仙台港周辺は東北随一の工業地域となっている。発電所と製油所を横目に七ヶ浜町最大のビーチである菖蒲田浜へ辿り着く。防潮堤の工事で風景が台無しになっているのが残念。津波対策なんだろうけど、七ヶ浜の魅力が損なわれてしまい、地域にとって本当に良いことなのか疑問に思う。

菖蒲田浜に隣接する小豆浜は開放されているので行ってみた。ここはサーフィンのメッカである仙台新港に隣接しているためか、いつもサーファーで賑わっている。この日は天気が良かったためか、サーファー以外に親子連れも多くいた。高山の外国人避暑地も相変わらず良い雰囲気である。13時半に到着したので、寄り道などを考慮すると泉から七ヶ浜まで片道2時間くらいの計算になる。やはり往復となると、サイクリングで来るには2連休の1日目じゃないと厳しい。



ビーチの後は前回行かなかった鼻節神社に向かう。かんなぎの聖地として一世を風靡したが、流石に放送開始から6年も経っているためか誰一人見なかった。鳥居に大きな蜘蛛の巣が張っていて、しばらく人が通っていないことが分かる。断崖絶壁の丘に位置する神社で、住宅街から離れているためか静寂な雰囲気に包まれている。社まで来ると、かんなぎの舞台であることが分かる。

 


七ヶ浜の後に三井アウトレットパーク仙台港に向かう。アウトレット以外にも、イオン、ニトリ、ヤマダ電機などの商業施設が集積しており、今年の7月には仙台うみの杜水族館がオープンするので、仙台の一大人気スポットとなりそうな予感。落ち着いた雰囲気の泉区も良いけど、活気のある海沿いの仙台港も良い。アウトレットはランドマークの観覧車ですぐに分かった。規模は泉パークタウンにある仙台泉プレミアム・アウトレットより少し大きい。飲食店スペースに地元企業を集めているのが好評価。この日は昼食に盛岡冷麺を注文。海外雑貨店で三枚羽のブーメランを買って、この日は帰路に就く。夕方になって気温が下がり、半袖半ズボンにビーチサンダルという格好では寒かったためかスピードが上がり、仙台港から泉中央まで1時間で走破した。