2015年6月28日日曜日

ニセコイ2期はなぜ失敗したのか

ニセコイ2期終了。作画良し、声優良し、音楽良しの良作であったが、脚本についてはどうしてこうなったと言いたい出来である。原作の問題でもあるのだが、ストーリー性の無さは何とかならなかったのだろうか。1期はストーリー性があったが、2期はお話のパッチワークになっていたように思える。一つ一つの話は良い。ただし、全体として見るとまとまりがない印象である。文化祭で千棘が楽への恋心を認めてから、原作でほとんど進展が見られないことが一番の原因ではあるのだが、せっかく主役級として登場させた新キャラの小野寺春を優遇しきれなかったことが最大の失策であると思う。OPでメインヒロインとして登場しているのに、なんと最終話には春が登場せず。メインで登場したのは7話「イモウト」、8話「ハタラケ」、9話「オソウジ/オミマウ」のたった3話だけで、あまり目立たずに終わってしまった。

原作は千棘が楽への恋心を自覚したところで、いったん千棘のターンは終了。75話「カミカゼ」での初登場から春の出番が急増。千棘、小咲、鶫、万里花がニセコイ4大ヒロインであったが、春の登場以降は鶫と万里花のメイン回が減少し、姉の小咲より春の方が目立っている状況が続いていた。10年前の記憶を持つ羽の登場、鍵の秘密に関わる絵本の出現、万里花の病状悪化など、最近では物語が佳境に向かって進み始めているが、75話以降しばらくは春の恋がニセコイのメインストーリーと化していた。実際に春回の多さには目を見張るものがある。

75話「カミカゼ」
76話「イモウト」
77話「ハタラケ」
78話「カエシテ」
86話「オミマウ」
94話「キグルミ」
107話「オマツリ」
108話「シツモン」
109話「ブキヨウ」
110話「オデカケ」
131話「サクセン」
132話「ミスコン」
133話「タイマン」
134話「ゴシメイ」

登場編、お祭り編、ミスコン編と短期間に3回も長編の主役となっており、千棘や小咲に進展が見られない一方で、春だけが唯一ラブコメを展開していた。彼女のいる身で姉を狙う楽を最初こそ敵視していたものの、接していく内に徐々に惹かれるようになっていき、自分を助けた王子様が本当は楽なのではないかと気付き始める。そして千棘と楽のニセコイ関係を知ったことで楽への誤解が解け、楽を好きになっていることを自覚する。楽のことが好きな姉を応援するため自分は身を引くことを決めるが、それでも楽への想いを断ち切れずにいる。せっかく春を登場させるのであれば、2期は思い切って春の恋を描くべきであった。ニセコイ初期の面白さは千棘が楽を好きになっていく過程で生まれており、ニセコイ中盤の面白さも春が楽を好きになっていく過程で生まれていた。アニメ2期は原作の良い部分を活かせていなかったと思う。

ニセコイ2期は4大ヒロインそれぞれにメイン回を割り振っており、1話「コレカラ/キヅイテ」が千棘回、2話「インネン/ショウブ」が鶫回、5話「オシエテ/ラクサマ」が万里花回、11話「ヤセタイ/オハヨウ」が小咲回であった。この4話と千棘と母親の関係を描いたクリスマス長編を除いて、残りの話数を春に回すべきであった。78話「カエシテ」と94話「キグルミ」で春メインの日常回を1話つくり、マジカルパティシエをカットして110話「オデカケ」を追加、最後はお祭り編で春が楽への恋心を自覚するところまで描いて欲しかった。ストーリー性のない日常回はOVAに回して、2期は春にもっとフォーカスして良かったのではないかと思う。2期で春編を描き切り、3期ではいよいよ物語の根幹に関わる鍵の話を描けば良かったのではないだろうか。ニセコイ2期が何となくだらだらした感じで終わってしまったのは脚本のミスだと思う。

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