2015年6月12日金曜日

京アニの集大成 中二病でも恋がしたい!

6月12日は小鳥遊六花の誕生日。ということで「中二病でも恋がしたい!」という作品について考察してみる。涼宮ハルヒの憂鬱に始まり、CLANNAD、けいおん!、氷菓など、京都アニメーションの作品は好きな作品が多いが、中二病は京アニの中でもハルヒと並んでずば抜けて好きな作品である。それは中二病が京アニ作品の集大成と言えるような特徴を持った完璧な作品だからである。
ヒロインの小鳥遊六花は幼い顔立ちで可愛らしい。そして知的障害の一種なのでは?と思わせるくらいに頭が弱く、シリアスな問題を抱えている。これは京アニが手掛けてきたKey作品に共通するヒロイン像である。AIRの観鈴、Kanonのあゆ、CLANNADの渚、六花にはKey作品のヒロインを彷彿とさせる特徴がある。前半はコメディ要素が強い一方、後半は病気や家族の死などシリアス展開に突入していくのはKey作品の特徴であるが、中二病もそんなKey作品の特徴を踏襲している。家族をテーマにしている点は京アニの代表作CLANNADと同様である。

六花は非日常的な世界に没頭し、周囲から浮いた存在となっている。そんな六花は自分の唯一の理解者である富樫勇太と出会い、クラスの誰とも会話をしないのに唯一勇太とだけは親交を深めていくようになる。勇太を当てにして謎のサークルを立ち上げ、ますます彼に依存していくようになる。これは涼宮ハルヒの憂鬱におけるハルヒとキョンの関係と全く同じである。そして非日常の世界の住人であった六花は勇太との出会いによって、次第に日常の世界の住人へと変わっていく。一方、日常の世界の住人であった勇太は六花との出会いによって、次第に非日常の世界の住人へと変わっていく。勇太は非日常の世界を諦めてしまった六花をラストで再び非日常の世界に連れ戻す。これも涼宮ハルヒの憂鬱と全く同じ構造をしている。そもそも中二病は涼宮ハルヒの憂鬱に大きく影響を受けている作品であり、六花のモデルが長門有希であることも著者によって明らかにされている。原作2巻、アニメ2期で登場する七宮智音は勇太が過去を一緒に過ごした女の子であり、六花のライバルとなる。これも涼宮ハルヒの分裂に登場する佐々木のカウンターパートとなっているように思われる。さらに原作3巻では個性派演劇部を主宰する天虹旱が登場するが、普通を嫌って特別を追い求める彼女もまたハルヒがモデルとなっているように思われる。

また、六花の立ち上げた極東魔術昼寝結社の夏は勇太を除くと女子4人でけいおん!と似たような雰囲気を醸し出している。個性的な六花は唯、真面目な丹生谷は澪、お調子者の凸守は律、ゆるふわな雰囲気のくみん先輩は紬である。特にやることもないのに放課後に集まって仲良くしている4人は軽音部の4人と重なる。EDの雰囲気も4人が出演するPVみたいな出来に仕上がっており、けいおん!とよく似ている。

中二病でも恋がしたい!は京アニの集大成といえる作品であると思う。だからこそ中二病で京アニは終わってしまった。たまこまーけっと、Free!、境界の彼方、甘城ブリリアントパークなど近年の京アニ作品はことごとく覇権を逃し、迷走を続けている(売上的にはFree!は大成功の部類に入るが)。そして中二病も涼宮ハルヒの憂鬱と同じく、2期で爆死してしまった。京アニが次の常勝スタイルを確立するには、まだ少し時間がかかりそうである。

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