2015年11月29日日曜日

南北アメリカ大陸の古代文明における白人伝説

神々の指紋〈上〉
神々の指紋〈上〉
posted with amazlet at 16.05.19
グラハム ハンコック
翔泳社
売り上げランキング: 13,579
南北アメリカ大陸の古代文明における神話には白人を思わせる神が登場する。アステカ文明のケツァルコアトル、マヤ文明のククルカン、インカ文明のビラコチャである。これらの神々はいずれも共通して背が高く、あご髭を蓄え、白い肌をしているという特徴を持つ。彼らは海を渡って古代アメリカに到着すると、先住民に農業や土木に関する技術を与えて文明をもたらした。そして再びこの地に戻ってくることを約束して、海の彼方に去っていった。文明の伝道者である彼らは古代アメリカにおいて神として信仰されるようになった。

南北アメリカ大陸の古代文明には古代エジプトとの無視できない共通点がいくつもある。有名なのがピラミッドである。アステカ文明の遺跡であるテオティワカン、マヤ文明の遺跡であるチチェン・イッツァには石造りの巨大なピラミッドが存在し、遠く離れたエジプトと似た造りのピラミッドが存在することから、古代アメリカ文明と古代エジプト文明には何かつながりがあったのではないかと考えられている。ペルーとボリビアの境界に位置するチチカカ湖は先住民が葦で束ねられた浮島に居住していることで有名だが、チチカカ湖に浮かぶ葦船は古代エジプトで使われていたものと類似している。チチカカ湖が10万年以上存続している古代湖であり、標高4000m近いアンデス山脈の中心に位置して外界から隔絶されていることを踏まえると、古くに伝えられた古代エジプトの文化が現在まで化石のように残っているとも考えられる。他にもミイラ文化、君主が太陽神の化身であること、ラクダ科の家畜が使役されたことなど多くの共通点がある。

白人を思わせる神々の伝説、古代エジプト文明との共通点、この二つを組み合わせると、古代エジプトの白人が海を渡ってアメリカ大陸に到達し、この地に古代エジプト文明を広めたのではないかと考えられる。学術的には証明されていないが、この古代ミステリーの謎はグラハム・ハンコックの「神々の指紋」でも述べられており有名である。現代世界において宗教は非科学的なものとして軽んじられる傾向にあり、ケツァルコアトルやビラコチャといった古代文明の神々に信憑性なんて無いようにも思われる。しかし、新しい技術や文化が当時の人々に革命をもたらしたからこそ、神話として語り継がれ、宗教として社会に生き残り続けたのだと思う。

日本においても外来の文明が形を変えて宗教として存続しているように思う。弥生時代は日本の歴史の一大転換点であり、渡来人がもたらした水稲耕作は日本の人口を爆発的に増加させた。同時に狩猟採集の生活から農耕の生活に移行した日本社会はムラ、クニを作り上げるようになり、やがて現代まで続く朝廷権力が誕生する。弥生時代にその原型が作られたとされる神道には稲作に関係した儀式が非常に多く、日本神話は日本列島に稲作文明をもたらした渡来人を神々として称える神話のようにも思われる。日本の代表的な宗教といえば神道の他に仏教があるが、仏教の広まりは中国文明の伝播と切り離せない関係にある。当時、僧侶は最先端の知識を持った学者であり、技術者であった。宗教に付随する科学的知識は社会に大きな影響を与え、人々の信仰を集めた。

ケツァルコアトルやビラコチャにも同じことが言えるのではないかと思う。古代アメリカ社会に計り知れないインパクトを与えた人々であるからこそ彼らは神格化されるに至った。そのような大きなインパクトを与えることができるのは外来の人々に他ならず、古代エジプト文明との共通点や白人を思わせる神々の存在から、地中海から大西洋を渡って南北アメリカ大陸に到達した白人がコロンブスよりはるか以前に存在したと考えるのが妥当であると思う。ヴァイキングの一部がニューファンドランドに到達していたというのは有名な話であり、大航海時代以前から大西洋を挟んだ大陸同士の交流があったのではないかと考えられる。古代エジプト、古代アメリカの他にもストーンヘンジやイースター島のモアイ像といった巨石文明がこの地域に集中しているのも単なる偶然なのだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿